<飴売りとの約束 寄居町の朝鮮人虐殺>(下)創作朗読劇 韓国でも上演 若者が記憶を受け継ぐ
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<飴売りとの約束 寄居町の朝鮮人虐殺>(下)創作朗読劇 韓国でも上演 若者が記憶を受け継ぐ
  • 미디어기평 기자
  • 승인 2023.11.10 16:41
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<飴売りとの約束 寄居町の朝鮮人虐殺>(上)命日・6日に慰霊祭開く地元住民 デマに命を奪わせない

2023年9月2日 07時53分

韓国で朗読に臨んだ生徒たち=韓国・天安市で(江田伸男さん提供)

韓国で朗読に臨んだ生徒たち=韓国・天安市で(江田伸男さん提供


 関東大震災の混乱の中、寄居町で朝鮮人の飴(あめ)売りの青年、具学永(ク・ハギョン)さんが虐殺されて100年の今年、記憶をつなぐ担い手に若者も加わった。高校生が事件を題材にした朗読劇に挑み、埼玉県内のみならず具さんの祖国でも上演を果たした。思いは海を越える。

 ◇ 

 「そのセリフ、もっと感情を込めて」「難しい~」

 先月22日、秩父市のビルの一室。3日後に迫る韓国での上演に向け、練習する生徒たちの声が響く。その様子を、江田伸男さん(68)が静かに見守っていた。「口出しは基本、しない。劇としての完成度よりも、登場人物に思いをはせるプロセスが大事なので」

韓国での朗読劇上演に向けた打ち合わせを見守る江田伸男さん(右から2人目)=秩父市で

 

韓国での朗読劇上演に向けた打ち合わせを見守る江田伸男さん(右から2人目)=秩父市で

 県内の高校で家庭科を教える江田さんは、「秩父ユネスコ協会」の事務局として約20年前から学校の垣根を越えた平和教育に携わってきた。特に力を入れるのが朗読劇。参考となる書籍を示した上で、脚本から演出、背景のイラスト制作まで全てを生徒に任せる。

 今回は8人の生徒に声を掛け、昨年秋から準備を進めてきた。劇の題名は「約束は今も」。事件当時にタイムスリップした女子高生が、デマに踊らされた群衆に囲まれ、おびえる具さんに「あなたを信じる」と約束し、現代に戻り墓参りをする-という内容だ。

「飴売り具学永」の作者・金鐘洙さん

  「事件から100年の節目に合わせ、県内のイベントで上演するつもりだった」と江田さん。韓国上演のきっかけは、昨年4月に出版された「飴売り具学永」の作者、金鐘洙(キムジョンス)さん(60)との出会い。この本は、具さんと地元住民の交流などを想像を交えて描いた絵物語で、脚本作りのベースとなった。

 今年2月、具さんの墓を金さんが訪れた際、脚本担当の生徒たちと会いに行った。朗読劇の取り組みを伝えると、感動した金さんからその場で、8月25日に韓国・天安(チョナン)市で行われる虐殺事件関連のイベントに招待された。

 当日、会場のホールに立った朗読担当の6人は、やや緊張した面持ちながらしっかり演じきった。見届けた金さんは「新しい世代が想像力を働かせ、記憶を継ごうとしていた。とても良かった」と目を細めた。

 ◇ 

 朝鮮人虐殺事件を巡っては、被害を矮小(わいしょう)化したり、事件自体を否定する主張がネット上などでみられる。根拠とするのが、具体的な状況を示す資料などの証拠の少なさだ。小池百合子都知事が犠牲者の慰霊式典に追悼文を送らないなど、こうした主張に拍車をかけるような動きもある。

 朗読を担った高比良あかりさん(19)は「証拠が少ないから『なかった』というのは、都合のいい解釈」と指摘する。犠牲者数に幅はあれど、虐殺の事実は国の中央防災会議も認めている。「目を背けてはならないと思う」

 むしろ、記録の少なさを想像で補う方が重要だと考える。「あの時、被害者がどんな気持ちだったのか、想像することで感情移入でき、事件を自分に引きつけて考えられるようになった。この経験は、これからも伝えていきたい」。具さんとの約束だ。(福田真悟)

◆対策と課題聞く識者「流言出ると考え冷静判断を」 県, 誤情報の把握 監視難しく

 関東大震災では、「毒をまいた」「放火した」などのデマに基づいて、多くの朝鮮人が虐殺された。近年も災害時、誤った情報の拡散が相次いでおり、過去の問題とはいえない。災害時の流言への対策や課題を、識者と県に聞いた。

 2011年の東日本大震災や16年の熊本地震でも「外国人が窃盗をしている」などとする流言が流れた。東大の関谷直也准教授(災害社会科学)は「関心が同じ対象に向き、不安や怒り、善意を共有したときに流言が広がる。差別などの潜在意識が表れ、外国人のように弱い立場の人が標的になりやすい」と指摘する。被災でメディアやネットに触れられないことも一因になる。「情報への欲求が強まり、流言が発生しやすくなる」と警鐘を鳴らす。

 誤った情報に振り回されないために、どうすればいいのか。関谷准教授は流言の主な類型として(1)災害がまた起こるとする「再来流言」(2)被災地の治安悪化などの「被害流言」(3)地震は予期されていたとする「後(あと)予知流言」-の三つを挙げる。「災害時に流言は必ず出ると考え、パターンを知って冷静に判断することが大事だ」と呼びかける。

 行政はどんな対処を用意しているのか。県災害対策課の担当者は「迅速な誤情報の把握」と「適切な情報発信」が対策の柱とし、避難所に住民らによる「情報班」を設置することを、市町村に例示している。

 情報班は、行政やメディア、ネットから情報を収集して避難者に伝えるとともに、避難所の状況やニーズなどの情報を発信する役目も担う。担当者は「迅速な情報共有や流言の把握が期待できる」とするが、半面、誤情報の発信源になる恐れもあり、「市町村と県の支援も必要」と話す。

 県自身、交流サイト(SNS)などネット上の誤情報の収集に努めるが、被災状況の把握が優先で、常時監視するのは難しいという。加えて、県のシステムは情報解析会社を通じて明らかな誤りなど有害と判断された情報は取り除かれるため、世間にどんな誤情報が流れているのか把握するのがさらに遅れる可能性も。担当者は課題があるとし、「全庁的に連携し対策を考える必要がある」としている。(飯塚大輝)

출처 : https://www.tokyo-np.co.jp/article/274518
 


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